疾患概要
2型糖尿病
血液中の糖分を吸収する働きのあるインスリンの出かたが悪くなり、血液中の糖分が有効に活用されず、血液中に糖分があふれかえり、食べたもののエネルギーが吸収されない病気です。生活習慣の乱れだけではなく、2型糖尿病患者さんは糖尿病になりやすい体質を持っているとも言われています。糖尿病の典型的な症状といわれる口渇・多飲・多尿・体重減少がよく認められます。
1型糖尿病
膵臓にあるベータ細胞が破壊され、血液中の糖分を吸収する働きのあるインスリンが出なくなります。血糖が高い状態となり糖尿病を発症します。以前はインスリン依存性糖尿病と表記される事もありましたが、現在では1型糖尿病と表記がされています。糖尿病の典型的な症状といわれる口渇・多飲・多尿・体重減少がよく認められます。
パセドウ病
甲状腺ホルモンは、全身に働きかけ代謝をコントロールするなど大切な働きを持つホルモンです。バセドウ病は、この甲状腺ホルモンを過剰に産生される代表的な病気です。必要以上に甲状腺ホルモンが産生されるため、肉体及び精神に様々な影響を及ぼします。
橋本病(慢性甲状腺炎)
橋本病は免疫の異常で甲状腺に慢性的な炎症が起きており、慢性甲状腺炎とも呼ばれます。橋本病は、甲状腺ホルモンが少なくなる代表的な病気です。甲状腺に慢性的な炎症が起きることで、首の腫れ・倦怠感・身体のむくみ・便秘・体重増加といった症状が出ます。
脂質異常症
脂質異常症は血液中のコレステロールが過剰・不足している状態で、以前は過剰なコレステロールの状態を高脂血症と呼んでいました。脂質異常症を放置すると血管の壁にコレステロールが貯まり、血管が硬く狭く(動脈硬化症)なりやすくなります。頭の血管や心臓の血管が動脈硬化で詰まると、後遺症を残すことが多くみられます。
高血圧症
血圧が正常範囲を超えて高い数値が続く状態を高血圧症とよびます。高血圧症自体は症状がほとんどありませんが、血圧が高い状態が続くと血管に持続的に負担がかかり血管が硬く狭く(動脈硬化症)なりやすくなります。
高尿酸血症
血液中の尿酸値が高くなると高尿酸血症と診断されますが、尿酸値が高いだけでは症状はありません。放置すると結晶となった尿酸が関節・足先・耳たぶ等にたまる(痛風発作)、他に尿路結石・腎機能の低下が出現しやすくなります。また、高尿酸血症があるひとは、肥満・高血圧症・脂質異常症・高血糖状態を複数併せ持つこともあります。
骨粗鬆症
骨の量が少なくなったり、骨の中身(構造)が悪くなり、そのため骨の強さがもろくなり骨折しやすくなった状態です。骨折しない限り明らかな自覚症状はありませんが、20歳台の頃より3cm以上の身長低下がある場合には、知らぬ間に骨折していた可能性があります。
先端巨大症
稀な疾患ですが額・鼻・あご・手足など、体の先端が大きくなる病気です。頭痛・高血圧・糖尿病・いびき・多汗等の症状がでやすくなります。外見の変化はゆっくりと進むため、本人や家族は気づかないことがあります。
クッシング症候群
お腹の中の副腎とういう臓器から副腎皮質ステロイドホルモンがでていますが、その1つであるコルチゾールというホルモンが過剰に分泌され、満月様顔貌や中心性肥満など特徴的な症状を示す病気の一群です。頭の中にある下垂体が原因だと特に「クッシング病」と呼ばれます。副腎が原因でコルチゾールを過剰に分泌する状態を「副腎性クッシング症候群」といいます。
原発性アルドステロン症
お腹の中の副腎とういう臓器からアルドステロンという血圧を上げるホルモンが過剰に出る病気です。例年の健康診断では血圧は問題なかったが急に血圧の上昇を指摘され、調べると本疾患であった等はよく認められます。血圧上昇以外に自覚する症状はありませんが「若い時から血圧が高い」・「手足の力の入りにくさがある」等のエピソードは原発性アルドステロン症を疑うきっかけにもなります。血圧上昇を無治療のままにしておくと、脳卒中や虚血性心疾患など、高血圧関連の合併症のリスクが増大します。